5月29日(木)、理療科の恒例行事である杉山和一記念行事を実施しました。
この行事は、江戸時代に多くの視覚障害者に按摩や鍼を伝授して現在の理療教育の礎を築いた「杉山検校の命日」にちなんで行われており、毎回、岡山盲学校理療科の卒業生をお招きして盲学校での思い出や施術者としての経験をお話していただいています。
今年度は、平成6年度卒業の丸山聡先生をお招きし、お話をしていただきました。
丸山先生は現在、就労継続支援B型事業所である「あしたば北長瀬」という治療院で院長、管理者をされています。丸山先生からは、盲学校の学生時代のエピソード、卒業後から現在までの経歴、あしたば治療院のこと、視覚障害者や治療家としてのあり方など様々なお話を聞かせていただきました。
講演の冒頭で、丸山先生が生徒に氏名と卒業後のビジョンや目標について聞かれました。そして、参加した生徒の多くが開業やヘルスキーパーなどの進路希望や、どのような治療科を目指しているかなど具体的な発言があったことに丸山先生は驚かれていました。
丸山先生は卒業後に病院でリハビリの仕事をされた後、有名な晴眼者の先生の治療院で修業をし、西大寺で開業され、そして現在のあしたば北長瀬の院長になられているという経験豊富な先生です。人と人とのつながりの大切さ、患者様に選ばれる治療家になるために技術や自己PR力を磨くこと、視覚障害をマイナスに捉えるのではなく視覚障害があるから高められた聴覚や触覚などを仕事にどう生かすかとプラスに考えることなど、経験に基づいたお話を聞かせてくださり、生徒と教職員ともによい刺激を受けることができました。
生徒の感想文を読むと、「もっとお話を聞きたいのであしたば北長瀬で実習をしたいです」や、「人間関係を大事にしながら更にネットワークを広げる必要性を感じました」など、多くの学びや気づきを与えていただいたことがわかります。
丸山先生、本当にありがとうございました。