平成29年度 杉山和一記念行事

5月10日(水)の3・4時間目、本校臨床室を会場に、「杉山和一記念行事」を行いました。この行事は、視覚障害者の職業としてあん摩・はり・きゅうの道筋を付けた江戸時代の偉人、杉山和一の功績を称え、毎年、杉山和一の命日である5月18日の前後に行っている盲学校の伝統行事です。

始めに、理療科教員による杉山和一の説明があります。今年は杉山和一にまつわる諸説に触れながら、様々なピンチをチャンスに変え、偉業を成し遂げた杉山和一を見習おうという紹介がありました。
その後、恒例となっている、本校卒業生を講師に招いての講座です。今年は、「11年経ってやっと見えてきた治療技術」と題して、岡山市内で「つぼた治療院」を経営されている、坪田健一先生をお招きしました。坪田先生は、本科保健理療科を卒業し治療院に勤められていましたが、治療の幅をさらに広げるため専攻科理療科に入学し、治療院でのアルバイトを続けながらはりきゅうの資格も取得された努力家です。また、学生の頃からあん摩施術が大好きで、今回の講演でもそのあん摩を生かしてどんな治療をしているか、患者さんに感謝された時のうれしさなどを実感を込めてお話しくださいました。また、今回は坪田先生のご好意で、実技の時間も取っていただきました。坪田先生が卒業後に治療院へ勤めていたり、開業したりする中で会得された、「こり」をどのように捉え、どのような理論でどのような施術をするのか、わかりやすく説明してくださいました。しかも、こむら返り(腓腹筋痙攣)を例に挙げ、生徒全員に施術してくださり、坪田先生のあん摩を体験させていただきました。生徒たちは熱心に話を聞き、坪田先生の施術を早速友人同士で試していました。あちらこちらから「もっと軽かったよ!」とか、「そんな動きじゃない!」などと声が聞かれ、大いに盛り上がっていました。
後の感想でも、「学校で習っているあん摩と全然違った」「自分の治療技術に取り入れたい」などという声が聞かれました。
今現在理療科で学んでいる生徒たちにとって、卒業後の仕事のイメージがつき、理療のすばらしさが伝わる記念行事になったと思います。