理療科研究発表会

9月21日(金)の3~4時間目に研究発表会が行われました。理療科の3年生の3名がそれぞれ一学期からテーマを決めて研究に取り組み、その成果を理療科の1・2年生や本校教職員の前で発表しました。
一人目のテーマは、「肩こり患者を中医学の観点からみた一症例」で、1名の肩こりの症状のある被検者を、東洋医学(中医学)の観点で診察・治療を5回継続して行い、症状の変化について研究したものでした。症状のある肩には鍼治療をせず、全身の状態を整えることで、肩こりも改善してきたという成果が発表されました。
二人目のテーマは、「マッサージが下腿浮腫に及ぼす影響~下肢挙上と比較して~」で、マッサージ施術と一般的な解消法である下肢挙上(足を心臓より高くする)の直後効果と持続効果を比較する実験研究でした。マッサージは直後効果があるが、持続効果は少なく、下肢挙上は直後効果も持続効果も少ないという結果でした。
三人目のテーマは、「腰痛患者にみられる筋緊張のアンバランスの調査~脊柱側の左右差を中心に~」で、腰痛を自覚する40名もの被検者を対象に痛みのある場所と筋肉の緊張の関係について検証するという調査研究でした。腰痛を感じる側の筋肉が緊張している人と、反対側の筋肉が緊張している人が半数ずつということで、必ずしも痛い場所の筋肉が緊張している訳ではないことが発表されました。多くのデータを色々な視点で分析されており、東洋医学的な考察も含まれる発表でした。
発表者は堂々と自身の研究を発表し、聴衆の質問に対しても自分の言葉で応えていました。研究で得た知識と技術、人前で発表する経験は今後の学習や卒業後に生かせることと思います。
聴衆の1・2年生は、まだ内容を理解することができない部分もありましたが、質疑の時間だけでなく休憩時間にも発表者に質問する姿が見られました。それぞれ3年生になると発表者になりますが、先輩の発表が参考になったと思います。
この研究発表会は本校理療科で長く続く伝統的な行事です。今回も発表者・聴衆の両者が真剣に取り組み、とても有意義な行事となりました。