1.使用する教科書
児童の実態に応じて点字教科書や拡大教科書などを活用しています。通常の教科書を使用して、ルーペや拡大読書器で文字を拡大して見ながら学習している児童もいます。
2.各教科等の特色
国語科
見え方に合わせて、使用する文字を検討します。一般的な文字を使用する場合、正しく読み書きできるように丁寧に指導します。点字を使用する場合、読み書きに必要な点字の触り方や、点字特有の仮名遣いや表記法も学習します。点字はパーキンスブレーラーや点字盤を使って書きます。
点字を使用する児童も触って分かる図やパソコンなどを活用して漢字学習に取り組んでいます。触って形の特徴をとらえながら、漢字の意味を考えます。パソコンでの漢字変換の際に必要になるので、熟語の学習も大切です。
算数科
模型や点図など、実際にあるものを操作することで理解を深めます。
図形の学習に欠かせない定規には、目盛りや文字が大きくはっきりしたものや、触って分かるように目盛りが浮き出ていてものがあります。
見え方によっては筆算の代わりに、そろばんを使用する珠算が計算に効果的な場合もあります。
必要に応じて音声電卓も使用します。
理科
見えない、見えにくい場合でも工夫次第で、実際に自分で実験や観察を行うことができます。点字教科書では、メダカの観察の代わりにオタマジャクシの観察があるなど、分かりやすい実験方法が記されています。
実験・観察での変化の様子や計測の目盛りは見えやすいように教材を工夫し、拡大したり、音や音声を手掛かりにしたりして結果を確かめます。タブレット端末で写真を撮って拡大したり、光や色の変化は感光器、温度や重さなどは音声温度計や音声秤という道具を活用したりすることで、実験結果を自分で確認できます。
社会科・生活単元学習
点字教科書では、写真のかわりにその内容を文章で詳しく説明しています。グラフや地図などは、点図や立体コピーなどの触って分かりやすい図になっています。
地図や資料の詳細などは、タブレット端末や拡大読書器で拡大して確かめることもできます。
社会科見学等にも積極的に参加し、体験的に社会の仕組みを学びます。
音楽科
点字にも音符や休符、音楽記号などがあり、点字教科書には、点字楽譜ですべての曲が書かれています。鍵盤ハーモニカやリコーダー、木琴などを使った楽器演奏も、もちろん行っています。
図画・工作科
可塑性のある粘土はもちろん、いろいろな素材を使って造形活動に取り組んでいます。特に対象のとらえ方や表現法・色や形についても学び、イメージを豊かにして思いを表現する幅を広げます。
体育科
安心して思い切り体を動かせるように教材・教具やルールを工夫しています。
例えば50m走は、ゴール地点を太鼓などの音で示し、そこに向かって1人で走ります。持久走は伴走用の紐を持ち、先生のガイドを聞きながら走ります。球技では、鈴の入ったボールなどを使用し、ルールも工夫しながらゲームをします。水泳や器械運動、新体力テストなども行います。
家庭科
見えない、見えにくい場合でも、安全で分かりやすい道具を使いながら、調理や裁縫に取り組むことができます。
糸通し器で針に糸を通して波縫いをしたり、平置きしたときに水平が保たれる大さじ・小さじで調味料を計量したりと、より分かりやすい道具を使用しています。
汚れのたまりやすい場所を実際に調べて知っておくなど、日々の生活を健康で快適にするための知識を体験を通して学びます。
自立活動
点字、珠算、弱視レンズの使用、白杖歩行、漢字、ICT機器、また、身辺処理能力の向上や体づくりなど、各教科の学習や日常生活との関連を図りながら、児童一人一人の実態に応じた学習を行っています。
総合的な学習の時間
3~6年までの合同学習グループで探究的な学習の方法を学びます。3年間で「環境問題」「国際」「職業」のテーマを1年ずつ課題として取り上げ、情報収集や分析、まとめ、発表を行います。
3.交流及び共同学習への取組
本校の児童は岡山県全域から通ってきます。それぞれの居住地にある小学校との交流及び共同学習も行い、集団での学習の場の経験ができるようにしています。