副校長Eye愛通信「蝋梅(ろうばい)の香り」

 冷たい風に乗って、えもいわれぬ素敵な香りが漂ってきます。蝋梅の香りです。この香りが大好きな私は、4月に着任した時から蝋梅が咲くのを、ずっと楽しみにしていました。 ある先生は「この香りがすると、盲学校にもうすぐ春がやってくるんだなあと感じます」と、にっこり。ある児童は「あれっ何かいいにおいがするよ」ときょろきょろ。蝋梅の香りは近くで感じるより、少し離れた場所の方が、よりいっそう芳しく感じられるところが不思議です。  
 食堂の入口に植えられた蝋梅の木の横には、「創立八十周年記念樹 岡山盲学校同窓会」と標されています。岡山盲学校には、季節ごとに香りのよい花の咲く木が植えられています。30年以上前の先輩方が、今の私たちのために、春の香りを運んでくる花を植えてくださったのですね。今年は特に「先が見えない不安」という言葉を耳にしますが「ちゃんと春は来てますよ」と優しい香りが伝えてくれています。