よくある質問

※主に小学生の皆さんから寄せられた、盲学校や視覚障害者に関する質問への回答です。回答の文章が小学生向けになっているところもありますが、ご了承ください。

質問1 盲学校は見学できますか?

 本校への入学を前提とした見学は随時受け付けています。まずは電話でご相談ください。本校の電話番号は、086-272-3165です。それ以外の一般の方の見学は、学校公開等をご利用ください。

質問2 盲学校にいる人たちは、みんな目が見えないんですか?

 盲学校というと目が見えない人ばかりいると思っている人がたくさんいるようですが、全く見えない人(全盲といいます)は4分の1くらいで、残りの4分の3は、少し見える人たち(弱視といいます)なのです。全盲や弱視の人たちのことを視覚障害者といいますが、本当は盲学校と言わずに「視覚に障害がある人たちのための学校」と言った方がいいと思います。英語ではそう言いますから。

質問3 盲学校の教科書は、どんな教科書なんですか?

 盲学校といっても少し目が見える弱視の児童生徒と、ほとんど見えない全盲の児童生徒がいます。弱視の児童生徒は皆さんと同じ教科書を拡大したもの(拡大教科書)を使っています。全盲の児童生徒は点字の教科書を使っています。プリントなどは拡大コピーしたものを使っています。また、最近ではiPadで教科書をよむことができるようにもなっています。iPadだと簡単に拡大表示ができたり、文字色を変えたりできるので、弱視の児童生徒にはとても便利です。

質問4 図書室にある本は、全部点字なんですか?

 盲学校には弱視の人の方が多いですから、図書室にある本は皆さんの学校にある本と同じ普通の文字(墨字=すみじ といいます)の本や絵本もあります。点字の本もたくさんあります。それからカセットテープやCDに録音した図書もたくさんあります。最近ではインターネットを利用した点字図書や音訳図書をダウンロードできるサービスもあるので、それを利用することも多いです。

質問5 点字ブロックを歩いていて、困ったことはありませんか?

 点字ブロックの上に置かれている自転車は本当に困ります。先日のローカルニュースでも、この問題を取り上げていました。自転車はもちろんですが、お店の看板とか、自動車が置かれていることもあります。頭をぶつけたりして、とても危険です。ほかにも困ることは、犬のフンがあることですね。あれを踏んづけてしまうと、靴が汚れて大変困ります。犬の飼い主のみなさん。点字ブロックの上に犬がフンをしたら絶対に持って帰ってください。

質問6 盲導犬といっしょにくらしてみたいですか?

 これは意外とそうではない人もおられるようですよ。盲導犬といっても犬でしょう。当たり前ですね。犬が好きな人もいれば嫌いな人もいます。盲導犬をもつということは犬の世話をずっとしないといけないということですから、これは犬が好きでないとやっていけませんね。ですから盲導犬は便利だけど、犬を飼うのはどうも…という全盲の人もおられるようです。でも日本ではまだ盲導犬の数はとても少なくて、盲導犬が欲しいけど順番待ちをしている全盲の人たちがたくさんいるそうです。

質問7 目が見えなくて困ったことはありませんか?

 いちばん困るのは外を歩くときではないでしょうか。家の中や盲学校の中は建物や部屋の様子がよくわかっていますので、行動するのに困ることは少ないですが、街に出て知らないところを歩くときには大変困ると思います。ですから、街で白杖(はくじょう=白いつえ)を持っていて、道に迷っているような人を見かけたら、声をかけてあげてください。
 生まれつきの全盲の方は自分の子どもや奥さんの顔が見えないので困っているというか、ぜひ見てみたいと思っておられるのではないでしょうか。それから、何より本や新聞が自由に読めないのも困りますね。点字の本があるじゃないか、と言われそうですが、点訳された本はとても少ないです。点字の新聞もありません。
  でも、最近は毎日の新聞記事もインターネットに載るようになって、全盲の方でもパソコンを使って音声で聞くことが出来るようになりました。そのほかにもスキャナとパソコンと自動読み上げソフトを使えば、全盲の人も墨字(ふつうの文字のこと)の本をスキャナで読み取って、自動的に読み上げさせることが出来るようになりました。

質問8 休み時間は何をしてあそんでいますか?

 盲学校の小学部の子どもたちは、やはり他の小学生と同じように遊具で遊んだり、タンデム自転車(二人乗りの自転車で、前に先生が乗ります)に乗ったり、いろいろしていますよ。弱視の子どもたちは鬼ごっこもよくしています。教室ではおしゃべりをしていることが多いですね。

質問9 盲学校の中で点字や点字ブロックがあるところを教えてください。廊下や運動場や遊具についているのですか?

 廊下に点字ブロックがついています。遊具や運動場にはついていませんが、学校から近くのバス停まではずっと点字ブロックがついています。実は、世界で初めて点字ブロックが設置されたのは岡山盲学校なのですよ。点字ブロックのことについては、本校ホームページの「資料室」に詳しく載せてありますので、ぜひ読んでみてください。

質問10 盲学校の小学生の人たちの時間割はどうなっていますか?

 盲学校と言っても、学習内容はふつうの小学校と同じです。国語や算数のほか総合的な学習の時間もあります。ふつうの小学校とちがうところは「自立活動」という時間があることです。点字や白杖(はくじょう)歩行などを勉強しています。

質問11 点字ブロック(誘導ブロック)についての不安、または不満はありますか?

 点字ブロックそのものではなく、街中でよく見られるように、点字ブロックの上に置かれている自転車やお店の看板などがとても困ります。何とかして欲しいですね。
 それから、不満というと、最近は街の美観のためということで、黄色ではなく、あまり目立たないグレーなどの色の点字ブロックが増えているということです。実は点字ブロックは全盲の人たちのためだけではなく、弱視の方々のためにもあるんですよね。グレーでは区別がつきにくいので、弱視の人は困ります。

質問12 宅配便の不在連絡表などは目の見えない方はどうやって確認しているのでしょうか?

 昨日私の家の郵便受けに宅配便の不在連絡表が入っていました。その紙にはもちろん普通の文字で「荷物を届けたが留守だったので預かっています。連絡をください」という内容のことが書かれていました。でも、この紙には点字で「ニッツー フザイ レンラクヒョー」と書かれていました。点字が書いてあるといっても紙に穴を空けて点字が打ってあるのではなくて,点字の形になるようにインクをふき付けてそのインクの部分が膨らんで点字になっているのでした。
 点字が書かれていなくても触わって分かるように工夫されたものもあります。クロネコヤマトの宅急便の連絡表には猫の耳をイメージした三角形の切れ込みがありますね。シャンプーやリンスの容器に付いているギザギザも工夫された物です。プッシュ式の電話器の「5のボタン」には突点が付いています。テレホンカードやバスカードなどにも切れ込みがあります。葉書にも半円形の切れ込みがあって切手を貼る位置や葉書の表裏が分かるようになっています。

質問13 駅などの公共の施設でよく見かける点字の表示板ですが、それがあることを全盲の皆さんはどうやって見つけるのでしょうか?

 JRの駅などにある点字の表示板の位置ですが,見つけにくいところに付けてある場合もありますね。初めて行った所などではせっかく点字表示があっても,その表示があることさえも分からないことが多いと思います。
 「だったら音声やチャイムなどデ案内板の位置を示したら」とも思いますが,すべてに付けたらきっとやかましいことでしょうね。点字を読む人の背の高さや読むくせもあるので「ぜったいこの位置がいい」といえる場所はないと思うのですが,できるだけ全国どこに行ってもだいたい同じ位置に設置してあればまあまあ見つけやすいでしょうね。

質問14 墨字(すみじ)というのは何ですか?

 墨字というのは点字に対する言葉で、いわゆる私たちがふつうに使っている文字のことを意味してます。昔は文字を筆で墨を使って書いていたでしょう。そのなごりでしょうね。ですから、パソコンで書いた文字、本などに印刷された文字もぜんぶ墨字といいます。ペンや鉛筆で書いた文字でも墨字です。

質問15 点字はどんなところで使われているんですか。

 最近は点字が使われている所も多くなってきましたが、まだまだ少ないですね。岡山駅などの中央口の辺りにある点字の案内板、階段の手すり、市役所やふれあいセンターなどのエレベーターなどには点字の表示がありますよ。缶ビールにも、「キリン」と「ビール」という点字表示があります。ビールも好みがあるから、「キリン」という表示も大事ですね。ビールが好きな私としては,「スーパードライ」とか「ラガー」などと書いて欲しいところですが、ぜいたくなんでしょうね。また缶チューハイにも「オサケ」と点字で書かれています。これはジュースと間違えてお酒を飲んでしまったという人がいないようにとの配慮だと聞いたことがあります。
 これ以外にも点字が使われている所を捜してみましたら、郵便ポスト、JRの駅の運賃表や券売機,岡山駅のバスターミナル、市役所や保健福祉会館のエレベーターなどに点字の表示があります。さわって分かる地図に点字が書かれている物もあります。
 お店で売られている商品にも点字が書かれている物があります。お好み焼きソース,コンビニ弁当に入っているソースの小さい容器にも「ソース」などと書かれています。胃腸薬にも点字が書かれています。ちょっとかわった物では私がホームセンターで買った木工用のボンドにも点字が書かれていました。

質問16  目の見えない人は年賀状は書くんですか。

 年賀状は書きますよ。切手を貼る所に「点字用郵便」と印刷してあるはがきもあるんですよ。これに点字で文章を書いて送れば無料で送ることができます。点字の手紙も封筒に「点字用郵便」と書いて、上の縁を少し切って中が確認できるようにして送れば、無料で送ることができます。
 私は点字を使っている岡山盲学校の教員ですが、生徒のころから年賀状を書いていました。生徒のころには住所などの宛先は家族に書いてもらい、文章を点字で書いたり、カタカナや平仮名が書けるタイプライターを練習して書きました。最近はコンピュータを使って自分で住所なども書けるようになりました。

質問17  盲学校を卒業された人はどんな職についておられるのですか。

 盲学校の卒業生の進路のことですが、主に三療(さんりょう)と言われる「あんま・マッサージ師」「はり師」「灸師」になる人が多いです。盲学校には高等部に普通科と理療科がありまして、理療科はこの三療の免許(国家資格)を取得するための職業コースです。就職先としては、治療院、病院、企業のヘルスキーパー、そして自宅開業などです。卒業生は各方面で国民の健康増進のため活躍しています。
 専攻科には成人の生徒も学んでいます。上は50歳代の生徒もいます。もし盲学校への入学を考えておられるのでしたら、地元の盲学校に電話でご相談されることをおすすめいたします。なお盲学校の高等部には普通科と理療科があると書きましたが、正確には本科と専攻科があって、本科の中に普通科と保健理療科があり、専攻科の中に理療科と保健理療科があります。本科は中学卒業の資格で、また専攻科は高校卒業の資格で入学できます。ただし、 高等部(本科・専攻科)への入学希望者に対しては学力検査等を実施します。 本科と専攻科の保健理療科は、あんま・マッサーシ師の国家資格取得をめざすコースですが、専攻科の理療科は、あんま・はり・きゅうの、いわゆる「あはき師」の3つの国家資格取得をめざすコースです。

質問18  給食は、どのようにしてるんですか。

 給食は皆さんと同じように食べていますよ。盲学校のことをよく知らない人は、目が見えない子どもは何もできないように誤解されているようですが、給食も掃除も、皆さんと同じようにふつうにしています。ただし、本校は食堂がありますから、給食当番というのはありません。食堂に行けば、給食調理員の方がテーブルごとに配膳してくれています。でも、食器の後片付けや残飯の処理は自分でやっていますよ。

質問19  盲学校では、どんな授業をしているかを教えてください。

 盲学校では小学部から高等部まであります。例えば、小学部の児童は普通の小学校と同じ勉強をしています。少し違うところは、全盲の児童生徒は点字の教科書を、弱視の児童生徒は拡大教科書を使っていることです。それから歩行の練習や点字の練習などの授業(自立活動)があることです。あとは全く普通の小学校と同じですよ。

質問20  校外学習や修学旅行などはありますか。

 校外学習も修学旅行もありますよ。いろんなところに社会科見学に行ったり、京都や奈良や東京などに修学旅行にも行ったりします。盲学校でも普通の小学校や中学校や高等学校と同じ行事がありますよ。

質問21 盲学校では、廊下にも点字ブロックがありますか。

 廊下には、ほとんどの所に点字ブロックがあります。また、教室の入口やトイレなどの前にも点字ブロックがあります。校内では白杖(はくじょう)や点字ブロックがなくても、だいたい教室の位置や方向がわかっているので、目が見えない子どもたちも上手に歩いていますよ。

質問22 私たちの小学校では黒板をつかって勉強しています。盲学校ではどうしていますか?

 盲学校でも黒板を使っていますよ。盲学校には少し目が見える弱視の児童生徒も多いですから、黒板に大きく字を書くこともあります。

質問23 普通の学校にはない特別な施設がありますか。

 盲学校には高等部に、あんま・はり・きゅうの勉強をしている人たちがいます。ですから、あんま実習室(たたみの部屋です)とかベッドのある、はり実習室などがあります。それから、外部の人にあんまや、はりの治療をする臨床実習室(治療室)という小さな医院のような施設があります。また、家が遠い児童生徒のために寄宿舎があります。それから、通学生のためには岡山駅から学校まで走るスクールバスがあります。近くのバス停から盲学校の玄関まで点字ブロックがしいてあります。学校の中も、渡り廊下などには点字ブロックがしいてあります。

質問24  体育はできるんですか。

 体育もできますよ。小学生の皆さんと同じように運動場を走ったり、サッカーをしたり、体育館でバスケットボールや卓球をしたりしますよ。目が見えない子どもたちも、そうじも給食も体育も音楽もふつうにしますよ。目が見えなくても、ちょっと教えてもらえば、いろんなことができるのです。トランプやオセロゲームもできます。トランプに数字とマークが点字で書いてあるんです。オセロゲームには白と黒のちがいがわかるように、印がついています。
 また盲学校にも中学部や高等部では部活動があり、運動部では目が見えない人でも楽しめる卓球(サウンドテーブルテニス)やバレー(フロアバレーボール)などを練習しています。

質問25 なぜルイ・ブライユさんの考案した点字はすぐに認められず、ルイ・ブライユさんの亡くなった2年後の1854年に認められたんですか?

 ルイ・ブライユの点字がどうしてすぐに認められなかったかということは、はっきりした答えは私にもよく分かりません。ブライユが考えた点字は今世界で使われている点字です。縦に3点・横に2点の6つの点を組み合わせたものですね。ブライユの点字よりも前に縦6点・横2点の点字、縦2点・横4点の点字など何種類かの点字が考え出されていたようです。それぞれの方法にいいところと不便なところがあったので、みんなが迷っていたので「ブライユの点字にしよう」と決められなかったのだろうと私は思います。
(追記)
 ルイ・ブライユの点字がどうしてすぐに認められなかったかという質問もありましたね。それに対して私なりに「いろいろな点字があったからすぐに決められなかったのではないか」と書きましたが少し間違っていたところがありましたので訂正させてください。
 これから書くことは私よりもっと点字のことに詳しい先生に聞いたことですが,はっきりした理由はやはりよく分からないようです。ブライユが6点式の点字を考案するまでは盲学校などでは「突字」と呼ばれる文字が視覚障害者用の文字として使われていたようです。突字というのは普通の文字を紙や板の上にそのままの形で浮き上がらせたり掘り込んだりした物です。それよりもっと前にはひもの結び方を工夫して文字を表していたそうです。
 突字は今で言えば自動車のナンバープレートやチョコレートなどのパッケージの文字が浮き上がっていますね。あれを触わってみてください。アルファベットや数字はまだいいとしても難しい漢字になるとどうでしょう。きっと点字に比べると読みにくかったでしょうし,書くのはもっとたいへんだったろうと思います。
 ブライユが6点式の点字を考えるヒントにしたのは軍隊で使われていた縦6点・横2点を組み合わせた12点式の符号です。これを指で読み取りやすいように縦を3点・横を2点にして6点点字を作った分けです。ブライユの点字は突字に比べてはるかに読みやすく,正確に書けるので,パリの盲学校の生徒たちはたいへん喜んですぐに使ったそうです。
 ところが点字は6つの点を組み合わせた独特の符号です。それに比べると突字は触わって分かるということ以外は普通の文字とまったく同じ物です。6点点字のよさは十分に理解されたと思いますが,点字という独特の文字を正式に認めていくと,点字を知らない一般の人たちとの間でコミュニケーションがしにくくなるのではないかという心配があったためになかなか認められなかったのではないかということです。
 ブライユが点字を考えたのが1825年,フランスで正式に視覚障害者用の文字として点字が認められたのが1854年,約30年もかかったんですね。点字が世界に広がっていき,しばらくしてから点字のタイプライターが作られることになります。先日私が書きました「縦2点・横4点の点字」などはこのタイプライターを作るときにもっと効率のいい点字はないかということで考え出された物ですが,結局、今の6点点字が残っていきました。

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