公開講座『わくわく体験盲学校』がありました。

 令和元年8月21日、「盲学校を知っていただこう!」と公開講座を行いました。設けた4つの講座についてそれぞれ様子を紹介いたします。

【視覚障害の世界】

 講座1ではアイマスクをした折り紙体験や、ガイド歩行の導入部分の体験を行いました。折り紙体験では活動を通して、視覚を使わなくても自分でできる方法・工夫や適切な支援について考えました。 ガイド歩行では、相手の立場に立った接し方や基本姿勢について確認し、ガイドの仕方についてペアで交代しながら体験しました。 研修後の参加者アンケートでは、「改めて目の不自由な方のご苦労と能力の高さをより知ることができました。」「目の見えない方が困られているとき、どのようにお手伝いすればよいか詳しく知ることができ、非常にためになりました。今後、そのような場面に立ち会った際には、積極的に協力したいと思います。」などの感想をいただきました。

【理療科のとびら】

 今年度で8回目となる「理療科のとびら」には、午前・午後の2回の講座に合わせて13名の参加がありました。理療科はあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の国家資格を目指す、盲学校ならではの職業コースです。 まずは、理療科3年生徒による30分のあん摩施術体験です。「マッサージが心地よかった」「もうプロの先生みたい」など、参加者からはとてもありがたいコメントをいただきました。 その後は理療科教員による概要説明を行いました。理療科の授業をイメージしながら、互いに資料を読み合うなどして、学習内容や進路、学校行事などの話をしました。 そして、例年最も反響のある「3年生徒の体験談を聞く」コーナーです。30分程度の時間で、入学に至った経緯、在学中に良かったことや大変だったこと、将来のビジョンについて生徒に語ってもらいました。「進路で挫折した後の入学だったが、少しずつあん摩やはりの良さがわかってきた」「幸せそうに生きている視覚障害のある仲間や先生に出会い、見えにくくなってもあきらめなくていいんだと思えた」など、生徒たちも率直に話してくれました。 最後にたくさんの質問もありました。これをきっかけに、多くの方に本校の理療科やマッサージ・はり・きゅうについての理解が深まれば幸いです。

【盲学校探検ツアー】  

  33名の方にご参加いただきました。4つのグループに分かれて、学習教材の紹介、理療科の解剖室、図書室、理科室、就学前相談支援の部屋を見学しました。 理科室の音声温度計に「へー」という驚きの声、理療科教室にある脳や肺の構造模型に触れて「なるほどー」との声も。学習教材の紹介では、色をおしゃべりで教えてくれる「カラートーカー」が人気でした。書いた文字が浮き上がる「カプセルペーパー」も実際に書いて触って試されていました。また、図書室では全盲の教員による音声でのパソコン操作、相談支援室では感触や音で遊べるおもちゃなども紹介し、みなさん熱心に聞いたり触ったりしてくださいました。 暑い中、1時間かけてのツアーでしたが、皆さん熱心に見学してくださり、「盲学校のことを知ることができて良かった。」、「通常の学校でも活用できるものがあった。」との感想をいただきました。

【わくわく点字】

小学生、保護者、学校関係者など6名が参加してくださいました。小型点字器を使って自分の名前や所属を書いて名刺を作ったり、点字のなぞなぞカードを読んで答を考えたりしました。「点字は暗号みたいで楽しかった。」「点字の読み方を教えてもらったり、実際に自分で点字をうってみたりして、点字の難しさや面白さを発見できました。」といった感想をいただきました。また、「テストなどはどのようにつくっているのか。」といった質問もいただきました。