進路を考える会

 9月14日(土)二人の卒業生をお招きして、これまで歩んできた道についての話を聞きました。一人目は、筑波技術大学保健科学部保健学科鍼灸専攻の2年生に在籍しているAさんです。

 私が岡山盲学校に入学したのは中学部からです。盲学校に入学して変わったことは、「目が見えにくい」という理由が通用しない環境になって、自分で頑張ろうという気持ちに変わったような気がします。 普通科1年になり、進路についてとても悩み、進路の先生の勧めで筑波技術大学のオープンキャンパスに参加しました。理学療法学に興味をもち病院やリハビリ施設を見学しました。しかし、理学療法士の就職は競争率が激しく、視覚に障害がある人は就職するのは難しいと言われ理学療法をあきらめました。悩んだ末、昔から好きだったマッサージ方面に進路変更しました。岡山盲学校の専攻科を目指さなかったのは、岡山以外の世界を知りたかったのと、大学生になり親元を離れて生活するのが夢だったからです。入学して良かったこととして、様々な県や国の人と関わることができ、学生寮での生活を通して自炊、洗濯、お金の管理などを行わなければいけないので両親のありがたさを改めて感じることができていることです。
 今後の目指す進路として、国家試験で資格を取り、大学卒業後、一年間は大学内にある東西総合医療センターで研修をし、地元の治療院で働きたいと考えています。今の授業がとても苦しいと思う人もいるかもしれませんが、もっと勉強しておけばよかったと後悔することのないように頑張ってください。ただ、勉強するだけでは、日々はつまらないので、自分自身の趣味や楽しみを見つけてそれを励みに日々を過ごすことをお勧めします。歩行練習もこれからの生活にとても役立つので、力を入れて頑張ってください。  

 二人目は、卒業生Bさんの保護者の方です。

  小学校では弱視学級に通学していましたが、小学校4年生から少しずつ歩行と公共交通機関を利用して練習を始めました。 盲学校中学部に入学して、落ち着いて「見る」(ルーペを使用して字をきちんと見る)ことの訓練をしてもらい、学力に応じた授業を受けるようになりました。
 現在は、就労支援事業所に毎日通っていますが、笑顔で愚痴も言わずに通うことができていて、頑張り屋だなと思います。 スクールバスを利用したことで、バスが好きになり、現在も就労先からの帰りは、岡山駅から毎日路線バスを利用しています。就労するにあたっては、利用するバス会社にあいさつに行き、娘のことを知ってもらいました。近所の方にも、家族の連絡先を伝え、いつでもSOSが出せるようにしています。 心配なことは、親亡きあとのことです。今の事業所にショートステイやグループホームができてほしいですが、今はあせらず、必要な時までは、できることをやりながら情報収集に徹したいと思います。相談支援の方にも手伝ってもらって利用できるサービスをリストアップしておき、突発的なことが起きたとき手を打てるようにしていきたいと思っています。