高等部理療科>研究発表会

 9月22日(木)に、理療科の研究発表会が行われました。50年以上続いている理療科の伝統的な行事で、3年生がそれぞれテーマを決めて、半年ほどを費やして準備や調査等を重ねた上で結果をまとめ、1・2年生と職員へ発表するというものです。
 今年は4名から4題の発表がありました。内容を少し紹介します。

 1番目は、肩こりの患者さんに対しストレッチなど今まで行わなかった新しい施術法がどれ位の効果を持つのかを調べるものでした。研究が計画通り進まなかったり、想定した通りの結果ではなかったりのようでしたが、研究のための施術をする中で、本当に大切なのは患者さんの気持ちをくみ取ることだという気づきを得られたことが大きな収穫となったようです。研究の内容から、実技に取り組む発表者の真摯さが伝わってきました。

 2番目は、発表者自身が、進路についてより深く考えるために視覚障害者の就労状況について調べることから始めた取組をまとめた発表です。現在は視覚障害者の職域が広がっていること、またあはき(あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう)の仕事に就く人が半数近く存在することを知り、次にあはきの仕事について考えるため、卒業生数名にインタビューを行いました。その内容から、施術の現場で働くことの醍醐味について理解することとなり、発表者の進路への思いを新たなものにしたことが何よりの成果だったと思います。先輩方とのつながりも継続できたらいいですね。

 3番目の発表も、発表者自身が今後あはき業に携っていくにあたり、様々な治療院の実態を体感し、考察するという、進路につながるものでした。9件の施術所を実際に訪れて得られた多くの情報から、将来自分が開業するなら、という想定で非常に具体的なイメージを描いていました。事前のリサーチも大変だったと思います。また、盲学校での努力の結晶として得られる国家資格の大切さについてさらの認識が深まったとのことです。

 4番目の発表では、便秘や下痢などの消化器症状に焦点を当て、まずこの症状についてアンケートを行ってその結果を考察し、さらに実際の消化器症状に対する東洋医学的な診察と施術の効果についてまとめていました。東洋医学的な治療には今まで積み重ねた独特の知識や思考が必要ですが、指導教員と相談しながら着実に研究を進めていました。この研究をきっかけに、東洋医学の学びをさらに深めていって欲しいと思います。

 以上の発表に対し、1,2年生と職員から活発な質疑応答がありました。この研究発表会全体から、理療科の皆さんが確実に成長していることを実感できました。特に3年生の皆さんは研究を達成したことで、今後様々な場面で必ず役に立つ大きな糧を得られたと確信しております。
 さて、この時期は大きな行事が続きますが次はいよいよ蒜山実習です。