視覚障害者との接し方について 竹内昌彦

特別な人と接するという気持ちではなく,普通の人の場合と同じ気持ちで対応してください。「失礼があってはいけない」,「間違いがあってはいけない」という気遣いが,かえって視覚障害者には負担となり,ときには差別的となることがあるように思われます。そうした中で,ごく技術的な意味で,いくつかのアドバイスをしたいと思います。

できるだけ声を出す

(1)会釈だけでなく「おはよう」,「こんにちは」など,声で挨拶してください。
(2)会話の最初に「盲学校の竹内です」など,自分の名前を名乗ってください。
(3)部屋に出入りするとき,声を出して,だれが来て、だれが出ていったのかが分かるようにしてください。
(4)書類やお金などを渡すときに,「これは何々です」と説明してください。

言葉の使い方

(1)うなずくだけでなく,「はい」,「いいえ」と言葉で返事をしてください。
(2)ものを説明するとき,「あそこ」,「むこうにある」などの抽象的な代名詞でなく,「あなたの右側」,「先生の机の上」など,具体的に説明してください。
(3)「めくら」という言葉は使わないでください。

行動について

(1)みんなで使う道具を使用したときは,必ず元の状態に戻しておいてください。(コンピュータを使用したとき,セロテープやカッターなどを使ったときなど)
(2)決まりをきちんと守ってください。(廊下の右側通行,通路にものを置かない,廊下で立ち話をしないなど)
(3)視覚障害を悪用した行動をしないでください。(全盲の人を含めた話し合いの中で目配せなどをしない,全盲の人に声をかけられたとき黙って立ち去らないなど。)

介助について

(1)一緒に歩くときは,全盲の人にあなたの右ひじの上をつかんでもらって,半歩前を歩いてください。
(2)乗り物に乗るときは,あなたが先に乗ってください。
(3)全盲の人がタクシーに乗るときは,車の屋根と開いたドアの上に触れさせてください。
(4)椅子を勧めるときは,背もたれの上を触らせてください。
(5)食事のときの食器の位置は,時計の文字盤または電話の押しボタンの位置で教えてください。

耳慣れない言葉の説明

(1)理療(りりょう)
 あん摩マッサージ指圧師免許,鍼(はり)師免許および灸(きゅう)師免許を取得するための職業教育を行う学科を,「普通科」に対して「理療科」といいます。「理療」は教科名で,この中に「人体の構造と機能」や「理療臨床実習」など多くの科目があります。
(2)あん摩,鍼,灸
 欧米で生まれた現代の医学を「西洋医学」というのに対し,古代中国で生まれた医学を「東洋医学」(漢方)といいます。東洋医学で行われる化学療法が,いわゆる湯液(漢方薬)であり,物理療法が,あん摩・鍼・灸です。しかし,現在では,「あん摩」の中に,マッサージや指圧も含まれています。